米国債のボラティリティーが急上昇、雇用統計が焦点に
2025/09/05
何が起こった?
米国債のボラティリティーが急上昇し、雇用統計の発表が焦点となっている。７月の求人件数は10カ月ぶりの低水準に落ち込み、市場は９月の米利下げ観測を強めた。８月の失業保険申請件数は６月以来の高水準となり、労働市場の減速が続いている。長期国債の利回り上昇は、拡大する財政赤字とインフレ圧力が原因。金利スワップ市場では９月の米利下げが織り込まれているが、そのペースは経済指標に左右される。政局や財政不安も債券市場に影響を与え、特に日本の新発30年債利回りが上昇している。
どういった意見がある?
米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のウォラー理事は、労働市場の弱体化を理由に９月の連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）で利下げを行うべきと主張。しかしその後の利下げペースについては議論の余地があるとし、状況を見極めながら判断すべきだとしている。また、ＡＤＰ統計のネラ・リチャードソン氏は、年初は力強く雇用が拡大したものの、その勢いは不透明感によって大きく揺らいでいると指摘。雇用減少やインフレ圧力が高まる中、企業や投資家は利下げを期待しつつ、不確実性を懸念している。
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